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2009/12/15

『記憶をなくして汽車の旅』コニス・リトル

記憶をなくして汽車の旅 (創元推理文庫) 
作者: コニスリトル,Conyth Little,三橋智子

記憶をなくして汽車の旅 (創元推理文庫)

目を覚ますと汽車に乗っていたわたしだが、自分の名前が思い出せない。荷物にあった手紙から、オーストラリアのおじを訪ねて行くところだったのは分かったが……?

記憶がないままに旅を続ける主人公。初対面のはずなのに自分を知っていそうな人物、そして婚約者だという男。徐々に記憶は戻っているものの、そこに事件が発生。自分はいったい誰なのか。そして犯人は誰なのか。

1944年の作品ですが、古さを感じることなく読めました。

解説を読むと、この作者の作品は1冊を除いて全て「BLACK」の文字が入っているそうです。そうなるとこの邦題はちょっと残念かな?

2009/12/11

『父に捧げる歌』ルース・バーミングハム

父に捧げる歌 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
父に捧げる歌 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
ピーチツリー探偵社」の続編です。が、日本での発売はこちらが先です。

私はしばらくの間、この本がピーチツリー探偵社の続編だと気づきませんでした。タイトルがヒューマンドラマっぽいというか……。なのでAmazonで見かけてもスルーしていたのですが、内容紹介をよく読んだらサニー・チャイルズの名が!

サニーはずっと父はヴェトナム戦争で死んだと聞かされていました。しかし、父の部下だった男の死亡記事を新聞で見つけ、父について母親に聞こうとします。しかし、母は詳しいことを教えてくれません。サニーは戦没記念碑に父の名前を確認しようとするのですが、そこにはいくら探しても父の名前はありません。なぜ英雄であるはずの父の名前がないのか? サニーは父の死について真実を突き止めようとしますが……。

ヴェトナムに関係するだけあって、重苦しい雰囲気が漂います。探るうちに英雄だと思っていた父の暗い部分を見つけてしまう娘の苦悩がよく伝わって来ます。頑なに娘に真実を語ろうとしない母親には、夫に対する深い愛情を垣間見れるなど、前作よりこちらのほうが物語りに深みがあると思います。

日本では2冊しか出版されていませんが、本国ではAmazonで確認する限り本書を含め7冊出ているようです。ぜひとも続刊の翻訳をお願いしたいところですが、翻訳2作目から7年以上経過したところを見ると無理そう。ハヤカワはほかにもシリーズ途中で翻訳が途切れて残念に思っているものがあるので、シリーズ物は出来ればほかの出版社から出してもらいたいかも……。

2009/12/06

『ピーチツリー探偵社』ルース・バーミングハム

ピーチツリー探偵社 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
ピーチツリー探偵社 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

こちらは残念ながら、中古でしか手に入らないと思います。

主人公サニーは、ピーチツリー探偵社に勤める女探偵。保険会社からの依頼で、盗まれた絵を取り戻すために泥棒と取引する事になったが、取引場所には誰もおらず、そこには殺された死体が・・・・・・。

他殺体は顔見知りだし、ボスが行方不明で連絡がつかないというのに探偵社が倒産の危機になるし・・・・・・サニーの周囲は目まぐるしく動きます。スピーディな展開、そしてタフな女探偵が大好物な私にとって、かなりお気に入りとなりました。カバーには、「どんでん返しの連続回転記録に挑むジェットコースター・ハードボイルド」とあるのですが、まさにそのとおりだと思います。

2009/12/05

『キャロットケーキがだましている』ジョアン ・フルーク



ミネソタのレイク・エデンという小さな町を舞台に、クッキーショップのオーナーであるハンナが、妹のアンドリアやボーイフレンドのノーマンやマイクといった顔ぶれと事件を解決していくシリーズで、今回で10冊目です。

いつも思うのですが、こういった小さな町を舞台にしたミステリって、かなり犯罪率が高いと思うんですよね。毎回毎回住民もしくは、住民に関係している人が殺されたり、容疑者になっていたりすると、そのうち住民がいなくなっちゃうんではと余計な心配をしたくなります。

今回、前作が出てからずっと次回作を待ち望んでいたにも関わらず、読み進んでいる間も読み終わった後もいまいち感が拭えませんでした。いつもハンナの美味しそうなレシピにうっとりしたり、ハンナの恋の行方にドキドキしたりしたもんですが、今回はあまりそれがない。シリーズも長くなってぐだぐだしてきたのと、ミステリ部分が相変わらず薄っぺらだからかな。推理小説としては全く期待していないので、いい加減ハンナが誰とくっつくかはっきりしてもらいたいのですが・・・・・・。

ちなみに、私は見た目素敵なマイクよりも、味があって性格良さそうなノーマンのほうがお気に入り。今回はいまいちだという感想しか思いつきませんでしたが、ノーマン目当てに次も買う事でしょう。


2009/12/03

『旅に出ても古書店めぐり』L&N・ゴールドストーン

古書店めぐりは夫婦で』の続編です。

旅に出ても古書店めぐり (ハヤカワ文庫NF)
前作で古書の世界に目覚めたふたりは、マサチューセッツからコネチカットへ引越し、そこでもまた古書店めぐりをします。しかも、本を買う資金の足しにと、それまでの古書との出会いをちゃっかり本にしちゃっています。冒頭では、売れ行きを見に新刊書店へ出向いたりしているのですが、マイナーな路線のせいか、期待とは裏腹にあまり芳しくないようで、ふたりのがっかり具合が笑えます。

住む場所が変われば当然通う書店も変わってくるわけで、前作で登場した店主達もちょっとしか名前が出なかったりと、さびしい部分もありますが、その分新たな出会いもあります。今回はサザビーズでのオークションについても書かれており、前作同様奥深い古書の世界を垣間見る事が出来ます。でも個人的には、古書にどっぷりはまり込んで行く様子が書かれている前作のほうが面白かったかな。

あとがきを見ると本国では続編も出ているようですが、日本では2冊の発行年月日を見ると続きの翻訳はなさそうなのがちょっと残念です。


2009/11/30

『見えざる檻』アレックス カーヴァ

FBI特別捜査官マギー・オデールシリーズがようやく出ました。FBIの女性プロファイラーが活躍するこのシリーズは私のお気に入りのひとつなのですが、前作の後出たのがシリーズとは違う作品で、続きはいつ出るんだろうと気になっていました。3年ぶりの新作です。

このシリーズはスリルあふれる展開に毎回ドキドキさせられるのですが、今回もそのあたりは健在です。が、第一作からマギーとちょっといい雰囲気だった検事補のニック・モレリとの関係がなにやら怪しい雰囲気。私はサスペンスは勿論の事、ふたりの関係にも注目していたので、マギーに新しい恋人候補が出てきたところにもやもやとしたものを感じました。かといって、そちらの方とも大きな進展があるわけでもなく。せっかくMIRA文庫から出ているのですから、もう少しロマンス部分にも力が入っていても良いと思うのですが、次回作でその辺りのもやもやが解消される事を願います。

一冊完結なのでこの作品から読んでも問題はないと思いますが、一作目の『悪魔の眼』もおすすめです。パトリシア・コーンウェルやコーディ・マクファディンのような、ちょいグロサスペンスが好きな人には良いんじゃないでしょうか。

2009/09/20

『クッキー交換会の隣人たち』リヴィア J ウォッシュバーン


クッキー交換会の隣人たち (お料理名人の事件簿 3) (ランダムハウス講談社文庫)

流血女神伝を読み終わった後にしようと思っていたけど、誘惑には勝てなかった(笑)

今回はクリスマス目前のクッキー交換会の最中に、フィリスの隣人が殺されます。第一発見者は、被害者の家に届け物をしに行ったフィリス。しかも、家の中にまだ犯人が残っていたらしく、彼女は頭を殴られてしまいます。

クリスマスの準備に沸く住宅地の中で起こった殺人事件。隣人が被害に遭い、自分も襲われたこともあってフィリスは聞き込みを開始しますが……。

相変わらずフィリスと同居人のキャロリンは料理の味を競い合っています。今回キャロルが作ったものはペカン・パイ・クッキー。ペカンってよく名前だけは聞くのですがどんな食材か知りませんでした。ネットで検索してみると、ナッツの仲間なんですね。なんとなく柑橘系のものかと思っていました。

このシリーズは美味しそうな料理は勿論ですが、フィリスと彼女の家の下宿人達との交流も大事な要素だと思います。長年の友人であるキャロリンとイヴとの友情は勿論ですが、1作目で下宿の仲間入りしたサムとの静かな心の触れ合いは、大家と下宿人では収まらないと思います。ただし、2人とも老年ですから熱く盛り上がるようなものではないでしょうけど。

今回、ラーゴという女性刑事は登場します。フィリスの息子マイクと、なんだか微妙な感じ……。マイクの奥さんであるセーラは気が気でないようですが、この刑事さんは今後も出て来る事があるのでしょうか。

ミステリ部分はちょっとした伏線を見逃さなければ、犯人を当てることは容易だと思います。個人的には、このシリーズは犯人当てより、テキサスの田舎の雰囲気を満喫するものかなと思っています。

本に挟まれている近刊案内の中に、気になるものを見つけました。

12月刊行予定の「カフェ・クラブ」と銘打つ新シリーズ。「ふわふわ卵の落とし穴」というタイトルからして、また美味しそうな料理が登場するのでしょうか。楽しみです。

2009/09/17

『お料理名人の事件簿シリーズ』リヴィア J ウォッシュバーン


桃のデザートには隠し味 [お料理名人の事件簿1] (RHブックス・プラス)
ランダムハウス講談社から出ている「お料理名人の事件簿」の最新刊を注文しました。実は私は書店に勤めているのですが、うちの店にはあまり翻訳本の入荷がないし担当でもないので、わざわざ仕入れるのも面倒くさくてネット通販ばかりなんですよね。積読状態の本がざっと見ても20冊くらいあるのでいつ読めるか分かりませんが楽しみです。

注文分が届く前に、積読は放置でシリーズ一作目から読み直し。といっても2冊しかないので余裕です。
桃の産地として名高いテキサス州の田舎町。今年もまた甘酸っぱい桃の香りが町中に満ちて、恒例のピーチ・フェスティバルが開催された。目玉はなんといっても、桃料理コンテスト。今年こそ絶対に優勝!と、お料理名人のフィリスは新作のピーチ・コブラーを作って出場。ところが審査員長がコブラーを口にしたとたん、急死してしまい……!? <出版社内容紹介より引用>
おとぎ話のようなお城のケーキにバラのケーキ──テーブルに並ぶのは、小学生の秋祭りで開催されるチャリティー・オークションに出品された豪華なケーキの数々。もと教師のフィリスも、巨大かぼちゃケーキで参加することに。ところが、いざオークション開始というとき、楽しい会場には場違いな悲鳴が!校内で遺体が発見されたばかりか、せっかく集まった募金も金庫ごと消えていて……。<出版社内容紹介より引用>
主人公は下宿屋の女主人。下宿しているのは主人公も含め、全員が定年退職した元教師ばかり。登場人物の年齢はかなり高めですが、それぞれ個性があって魅力ある登場人物です。特に、新たに下宿人となったサムと主人公フィリスの微妙な関係が今後気になります。

美味しそうな料理やテキサスの田舎町の雰囲気……それだけでも個人的にはツボなのですが、ミステリ部分も決して弱くはないと思います。

2作ともハズレではなかったので3作目の発売は嬉しいです。ランダムハウス講談社では他にも続きを待っているシリーズがあるので、そちらも出してほしいところですが……。


2009/09/12

『古書店めぐりは夫婦で』L&N・ゴールドストーン

ハヤカワ・ノンフィクション文庫が新カバーでリニューアルということで、書店に平積みコーナーが作られていました。

ノンフィクション文庫は普段はスルーしていたのですが、その中でたまたま興味をひいたタイトルがあったのでつい購入してみました。


そこで彼女が目をつけたのは古書店。電話帳で古書店を調べ、挿絵があって活字も大きい綺麗なハードカバーの「戦争と平和」を10ドルで手に入れます。10ドルの本は夫も気に入り、その本がきっかけで2人の古書収集熱が始まります。

最初は手頃な価格の本を集めていた彼らも、収集を続けるうちに高価な稀覯本に手を出すように。どんどん古書の世界にはまり出す様子が読んでいて面白いです。私も欲しい本は探し回ってでも手に入れようとするタイプなので、本の世界にのめり込む夫妻の姿は人事ではありません……。

登場する本は私にとってはタイトルは知っていても読んだことがない本ばかりなのですが、つい読んでしまいたくなる説明付き。それに、彼らが知り合う古書登場する店主達も個性的です。気に入るだろうからお代はいらないよと本をくれる店主もいれば、夫の過去を語り出す女性店主もいます。これから食事だからと、本を見せてくれない店員も……。

古本というとブック○フばかりな私ですが、町の中の小さな古書店に行ってみたくなりました。どうやら続編もあるようなのでそちらも読んでみたいです。


2009/08/19

『何か文句があるかしら』マーガレット・デュマス

何か文句があるかしら (創元推理文庫)

演劇修業で訪れたロンドンで電撃結婚したチャーリー。愛しい旦那様のジャックと一緒に、故郷サンフランシスコに帰還した彼女をホテルのスイートで出迎えたのは、身元不明の全裸死体だった。さらに親戚や、みずからの運営する劇団〈レップ〉をも災難が襲うにいたり、チャーリーは素人探偵として活動を始める。だが、旦那様にも何やら秘密があることを知って……。<出版社内容紹介より引用>
 
主人公は小国の経済を支えられそうな大金持ち。そんな彼女が電撃結婚した相手は、気象学の学位を持つ元海軍の中佐でとってもハンサム。しかし、この彼は軍で気象予報をしていたという割には拳銃の扱いに慣れていたり、アクションスターなみの活躍を見せたり、なんだか謎がありそう。

これだけ書くと胡散臭そうな旦那様ですが、奥さんであるチャーリーには甘々だし、危険からも守ってくれてとても頼りになるのです。

はっきりいって、ミステリ要素より、ジャックというキャラクターのほうに興味を持ちました。勿論、ジャック以外のキャラクターも個性あふれて魅力たっぷりです。

シリーズもののようなので、次回作以降にジャックの経歴が明かされていくのでしょうか。この夫婦が次に巻き込まれる事件を読むのが待ち遠しいです。



2009/08/18

はじめに

このブログは、主に読んだ本の備忘録なんかを書き綴るものです。

割と乱読なので、ジャンルも適当、感想も適当、更新頻度も適当……になるかと思いますが、よろしければお付き合いくださいませ。